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2018年10月8日月曜日

「ニューヨーク発 最強英語発音メソッド」で練習

発音をもう少しちゃんとしたいなと思って、Amazonで見つけたのがこの本。


(ちなみに、強気過ぎる本のタイトルは、出版社が勧めたのではないかと思う。「スライド・メソッド」の方が後々は一般名称として定着すると思うし、「最強」とかいうと胡散臭いと敬遠されてしまうのではないかと思うけれど。)

本の著者の方が公開されているサイトが↓ここで、本の音声データや動画などもこちらで提供している。
英語発音 | Manhattan | スライドメソッド
これまで見たことの無い、非常に画期的な指導方法だった。ただ、素晴らしい指導法なのに問題なことが一つだけあって、先生の説明の例えが独特過ぎて、そのままでは何を意味しているのか理解できない所が多い。(というか全般そう。)

その為に、Amazonのレビューでも、高評価を付けている人は嘘をついていると思い込んでいる低評価のレビューの人が何人かいる。非常に勿体無いことだと思う。

なぜ、評価が分かれてしまうのかと言うと、この指導方法の素晴らしさに気付けるのは、それまである程度発音を頑張って来た人が、ネイティブのような音にどうやってもならないことに困っているというような場合だから。そもそも英語の発音をゼロから始めようとする人は、この著者が発している音と、他の指導方法の人が発している音が違うことが分からない。ある程度頑張ってきた人は、この著者の発する音がよりネイティブに近く、そして、自分がそれまで気付かなかった方法で「こうやればあなたもこの音を出せますよ」と教えてくれるから、高い評価を付けている。そしてそう言う人は、この著者が使う独特の表現に関しても、これはもしかしてこういうことを言っているのかな?と理解することが出来る。

では、英語の発音をゼロから始める人には、この本の指導方法は合わないのかというと、そうではないと私は思う。初めからこの方法を習っていれば、より短期間でネイティブに近い発音を身につけることができるだろうと思う。(とはいえ、自分はまだ母音の最初の方しか試していないから、子音などすべての指導が最適なのかは今時点では判断は出来ない。)

どのようにすれば、この本の指導方法を理解できるかと言うと、独特の表現を、普通に理解できる表現に置き換えればよい。(というか、著者自身がそこに気付いて改めると良いと思う。)

著者のサイトやTwitterのアカウント@Slide_Methodで発している内容を見れば、極めて誠実に、正しい発音の方法を伝えようとしていることが分かる。ちなみに、この本は著者のサイトで公開している動画を何度も見て発音方法を覚え、音声データを聴きながら発音をすることで同じ発音が出来るようになるまで練習をすることが必須で、本だけを読んでいても全く上達をすることは無いので、動画を見ること、音声データを聴くことを必ず行うべきだ。

口の形の基本形

この本では、口の開け方を笛と呼び、発音ごとにどのような口の開け方(笛)にするのかを説明している。そしてその一番基本となる口の形(笛)が「三角笛」だ。そしてこの「三角笛」を作る方法が28ページから説明されている「スライド練習」でそれは「あごゆる」「妖怪ほぐし」「梅ほぐし」「頬上げ」の準備を経て「スライド」に至り「三角笛」の完成となる。だが、全般、何のための準備なのかも分からず、
  • あごはふんわりぶら下がり
  • 上唇・口角・頬はぶよっ
  • 下唇はツルッとスライド
で完成と言われて「何のことか全く分からない」と読者は困惑してしまう。

これを、普通に理解できる表現に置き換えると、「三角笛」というのは、
  • あごの緊張をほぐし、力が入っていない状態にして、あごの骨自体は少し下げ気味にする。
  • 上唇・口角・頬も力が入っていない状態にする。
  • あごを下げたときに口が開き気味になるけれど、あごはそのまま、下唇を上の歯から1,2mm離れたぐらいまで持ち上げる。
ということ。ただし、あごを下げるというと力いっぱいに下げてしまうけれど、そうでは無くて脱力する感じであごを下げる。それで下唇だけ上の歯に近づける為に少し持ち上げると、下の歯の先を下唇の内側が滑り上がる感じになるのでこれをスライドと呼んでいる。

スライド準備の「あごゆる」はあごを緊張させないで下げる為の練習。「妖怪ほぐし」は上唇・口角に力が入らない状態にしたり、口は開かないけれどあごだけは下がっているという状態を作るために行うもの。(上唇をつまみながら大きく口を開けることは出来ないけれど、あごだけを下げることはできる。)「梅ほぐし」もあごに力が入らないようにするもの。「頬上げ」も頬に力が入らないようにすることと、後に出てくる頬を上げて作る「笑い笛」の練習になっている。

これらを踏まえて著者の動画を見れば、スライド練習で何をしているのか、基本形はどのような口の形なのかが分かると思う。

そして舌の状態を「自然舌」
  • 舌には力がどこにも入っておらず、下の歯の中に拡がっている感じ。
  • 下のあごを下げつつ、下唇を少し持ち上げているので、舌先の左右(舌の目玉)が下唇の内側と近かったり接触したりしている状態(ぬくぬく)
として、声を出すと[ʌ][ə]の音が出るのだ。

しかし、英語の発音の練習を始めたばかりの人は「あー」の音にしかなっていないと思う。それは44ページに書いてある「天窓の話」に書いてあることが出来ていないからだ。私の場合は、英語の練習をしている中で自然と出来るようになってしまっていて気付かなかったが、この説明を読んで「そうだったのか!」と驚いた。日本語は鼻の方にも空気を少し逃がしながら発音をするのに対して、英語では3つの鼻音 [m][n][ŋ]以外は全て鼻には空気を漏らさず口からだけで発音をする。鼻に漏れた状態の発音は下品な英語になり、訛りとして注意をされるとこのこと。初心者の人にどうやったら鼻に漏らさないように発音できるのかは自分では上手く説明が出来ないが、のどの後ろの奥の方に力を入れて発音をするとそうなる。自分が「三角笛」も「自然舌」も出来ているのに[ʌ][ə]の音では無く「あー」の音になってしまうようであれば、鼻つまみチェックなど併用しながら練習をすると良い。


(SOFT PALATE = 軟口蓋(こうがい))


そして著者はこれらのことを説明するために、本を出したときに準備していた動画以外にも読者からの質問に応じる形で説明の動画を沢山公開されている。とても誠実な対応だと思う。

ちなみに、私は説明されている方法で[ʌ][ə]の音が出たから「この方法は凄い!」と思った。良くある発音方法の説明は『[ʌ][ə]は口を大きく開けて発音しましょう。』とかいうもの。けれどあごに力が入っていたり、口元が開いたままではこの奥行きのある[ʌ][ə]の音にはならない。「あごの力を抜いて、下に降ろすことでこの音が出るのか!」と驚いた。また、日本で売られている英語教材に付属する英語のナレーションには、あまり理想的とは言えない米語発音をしているものもある。そういった教材は作っている人自身が発音を極められていないのだろう。その点、この本は、著者の他に、ニューヨークで俳優をしている男性と女性がナレーションを担当しているそうで理想的な米語発音を聴くことができる。

単母音3 [u:]の発音方法



単母音4 [ʊ]の発音方法


English: How to Pronounce UH as in BOOK or PUSH [ʊ] Vowel - Rachel's English

単母音7 [iː][i]と単母音8 [ɪ]の発音方法

一点、62ページのDAY4 単母音③で紹介される単母音7 [iː][i]と単母音8 [ɪ]の発音方法は、この本の説明では舌の状態の違いだけが説明されているが、私にはこれらの発音方法の違いが分からなかった。
Home Page - Rachel's English
こちらのサイトで英語の発音の教材を提供しているRachelさんの下記のビデオで何とか分かったように思う。(英語字幕も出るし、サイトには説明のテキストが書かれている。)


ネイティブの人は正しい発音が分かるし、Rachelさんのように指導を専門としている人は発音の仕方も分かるかもしれないが、日本人がどうやって間違えてしまうのか、どこが分からないのかという所は分からない。この本の著者は、日本で育ってからアメリカに渡り、苦労して英語の発音を学んだからこそ、日本人が気を付けなければいけないことが分かり、それを直す方法を指導してくれている。

いろいろな情報を取り入れながら、練習をするのが良いのだろうと思う。

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