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2018年12月26日水曜日

ラプラス変換

ラプラス変換。工学で良く使われるけれど、使う為の説明がきちんとされていないように思う。(学校の先生は教えてくれたのかもしれないが、私が聞いていなかったか、聞いたけれど忘れたか。)

最終的には「微分方程式を代数として解くことが出来るようになる便利な道具だから、変換の対応表を覚えて使えばよい」となるのだけれど、工学の本での導入は微妙に制約の付いた表現になっていて「この制約は何?気にしなくて良いの?」と非常に気になってしまう。

ラプラス変換を説明したいくつかの本を見て、上辺だけ理解してみた。

参考にさせて貰ったのは、



上記2冊と
ラプラス変換の存在定理 | 高校物理の備忘録 
EMANの物理学・物理数学・ラプラス変換
上記2つのサイト。


ざっくり結論に持ってゆく


定義は下記のようにされる。

定義$f(t)$を$t\geq0$で定義された関数とするとき、$s$の関数
$$F(s)=\int_0^{+\infty}e^{-st}f(t)\operatorname dt$$
を$f(t)$のラプラス変換といい、$\mathcal{L}[f(t)]$または$\mathcal{L}[f(t)]$と書く。


「ラプラス変換て何しているの?」というと関数$f(t)$に$e^{-st}$を掛けて変数$t$で積分をすることで、変数$t$を消してしまい、変数$s$で計算をできるようにしている。定義は上記だけれど、実はいろいろ制限がある。

ラプラス変換は存在しないこともある


・ラプラス変換は$0$から$+\infty$までの積分なので必ずしも収束する訳では無い。収束する場合だけラプラス変換は存在する。
(ラプラス変換は、定義にある演算を指すこともあれば、この演算で変換された結果$F(s)$を指すこともある。ラプラス変換が存在しないという場合は$F(s)$が存在しないという意味になる。)

$f(t)$の時間範囲に制限が付いているのはこの制約の為。$f(t)$をマイナス時間も積分してしまうと$e^{-st}$が急激に増大して収束できなくなってしまうから。

ラプラス変換が存在する条件が定理になっている。

ラプラス変換の存在条件$f(t)$は$t\geq0$において区分的に連続であるとする。このとき、$f(t)$に対し、
$$\left|f(t)\right|\leq Me^{\alpha t}$$
となるような定数$M$と$\alpha$が存在すれば、$s>\alpha$である$s$についてラプラス変換$\mathcal{L}[f]$が存在する。

これを読んで「なるほど、そうなのか」と思うほど自分は賢くは無く、もう十分お腹いっぱいになっている。だが、自分がこれを理解できるかどうかはラプラス変換を使えるかどうかには関係しない。

なぜなら「ラプラス変換の対応表に載っている関数は、既に誰かがラプラス変換が存在することを確認してあるものなので、有難くその使い方だけを利用すればよい」と考えればよいから。

例えば$\mathcal{L}[1]=\frac1s$で、$\mathcal{L}[t]=\frac1{s^2}$だけれど、$\mathcal{L}[\frac1t]$は発散してしまうのでラプラス変換が存在しないため変換表に登場しない。

更に、ラプラス変換が収束する為には$s$にも条件が付くけれど「ある$F(s)$の$s$が複素数の全領域をカバーしていようが、一部分だけしかカバーしていなかろうが、微分方程式を代数的に計算する際には一切関係ないので気にしない」と考えてよいのだろうと思う。

それなら初めから気にせずに変換表だけ見ていればいいじゃないかと言われるかもしれないが、分かっていて気にしないのと、分からないのに見ないふりをすることは違う。

ラプラス変換の一意性

ラプラス変換やラプラス逆変換を変換表を使って行う為には、ある関数は必ずその関数に変換されるという前提が必要になる。

定理$t\geq0$において区分的に連続な2つの関数$f(t)$と$g(t)$がある。このとき、$\mathcal{L}[f(t)]=\mathcal{L}[g(t)]$ならば、$f(t)$と$g(t)$は不連続な点を除いて一致する。

読んだだけでは意味が取りにくいけれど「やさしく学べる ラプラス変換・フーリエ解析 増補版」の証明によれば、関数が有限個の点に於いて、ある時点で値が飛ぶようなものはその飛んでいる点だけは差異が生じるけれども他の所は一致するという意味だった。

sって何だ?

sには特段意味は無く、計算の都合上便利な複素数の変数ということなのではないかと思う。定義から「t空間からs空間へ」とか「時間領域から複素領域へ変換する」という表現は納得できるのだけれど、下記の「エンジニアのためのフィードバック制御入門」という本の「20.2 ラプラス変換」では、ラプラス変換は『微分方程式を「周波数領域」あるいは「周波数空間」に変換します。』とあってこれはおかしいのではないか?(フーリエ変換と混同している?)と思った。ちなみにこの本の翻訳はどうかと思うものが多いので、https://books.google.co.jpで英語のオリジナルも検索してみたけれど、"we transform them to the frequency domain or frequency space."とあって元々このようになっているようだった。著者のPhilipp K. Janert氏は理論物理学の博士号までとっている方のようなので、数学的なところを突き詰めてゆくと周波数領域になるのかもしれないが、真似はしないようにしようと思う。



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